命に関わる猫の病気「猫白血病」を予防するために飼い主が出来ること

猫白血病(猫白血病ウイルス感染症)は
人の白血病とは異なり、
ウイルス感染で起こる病気です。

一度発症すると明確な治療法がなく、
症状が出てしまうと死亡率の高い病気ですが、
ウイルス感染のために「予防」が可能な病気です。

猫白血病の感染ルートは、猫白血病に感染しているネコちゃんだけでなく、未感染のネコちゃんにもとても大切な情報ですので、飼い主さんは知っておきましょう。

猫白血病の3つの感染ルート

  1. ウイルス感染猫との接触感染(ケンカ・毛づくろい)
  2. ウイルス感染猫との食器・トイレなどの共有
  3. 垂直感染(母猫から子猫への感染)

猫白血病は接触感染と垂直感染が主な感染ルートです。

感染するとウイルスは唾液、涙、糞便中に排泄されます。

ウイルスに感染した猫との接触やケンカで感染しやすく、
野良猫の間では特に感染率が高いです。

ウイルスに感染した母猫からの母子感染もあります。

野良猫は保護した時点で猫白血病に感染していることがあり、
野良出身の猫や、野良猫の産んだ子猫を保護した際は、
猫白血病や猫エイズに感染している可能性があります。

そのため飼い猫に関しては、
野良猫との接触自体が感染ルートの一つと言えます。

猫白血病を予防するには

  • 猫白血病ウイルスの抗体検査をする
  • 予防ワクチンを接種する
  • 屋外に出さない
  • 感染猫がいる場合は別の部屋での飼育をする
  • 避妊・去勢手術をする

猫白血病ウイルスの抗体検査をする

野良猫を保護し、先住猫がいる場合は感染の有無が分かるまで
接触させないこと、食器を共有させないことなど注意しましょう。

先住猫がいない場合でも野良猫を保護した場合は、
早めにウイルス感染の有無や、
健康状態のチェックを受けに獣医さんに連れて行きましょう。

予防ワクチン接種する

猫白血病は100%ではないですが、ワクチンで予防ができます。

猫を外に出す飼い方の場合は、ワクチン接種を行った方が良いです。
逆に室内飼育で他猫との接触がない場合は感染ルートに触れる機会がないため、
ワクチン接種は飼い主さんの判断で良いと思います。

屋外に出さない

他猫との接触が感染ルートのため、出来れば完全室内飼育をお勧めします。

どうしても外に出たがる場合はリードを付けて、
目の届く範囲を歩かせるようにしましょう。

感染猫がいる場合は別の部屋での飼育をする

飼い猫の中に感染猫がいる場合は、室内で部屋を分けて飼育します。
ウイルスの有無にかかわらず、
野良猫を保護した場合はまず先住猫とは隔離しましょう。

避妊・去勢手術をする

ウイルスが母子感染するため、避妊を行い繁殖を避けることは
猫白血病の猫を減らすことにもつながります。

オス猫を去勢をするとケンカが減るので、去勢もウイルスの蔓延を
減らすために効果はあるとされます。

猫白血病とは

猫白血病は、猫白血病ウイルス(FeLV)に
感染することによって発症する病気です。

感染後は急性期を経て回復か持続感染となります。

<急性期>
侵入したウイルスは体内の様々な器官に運ばれ、
造血器官である骨髄まで達し、そこで増殖します。
感染成立後4~8週間ほどでウイルス検査が陽性になります(急性期)。

<回復、または持続感染期>
急性期後はウイルスが体内から排除される(回復)か、
無症状であるにもかかわらずウイルス検査で陽性を示す(持続感染)、
の2パターンに別れます。
これは年齢による免疫力の違いによるもので、
幼若なネコの方が持続感染になりやすいようです。
持続感染の場合、ウイルスは体内に居座り続け、
その後、様々な病気を発症します。
猫白血病ウイルスが人の白血病の原因となる
「ヒト成人T細胞白血病ウィルス」に似ているために
白血病ウィルスと呼ばれます。
実際には白血病よりも悪性リンパ腫を発症する場合が多いです。
引用:https://www.iris-pet.com/nyan/jyui/31.html

猫白血病の症状

急性期と持続感染期では症状が異なります。

よく見られる急性期の症状としてリンパ節の腫れがあり、
気になるしこりや腫れを見つけて獣医に行くと、「猫白血病」が判明するということがあります。

<急性期>

  • 発熱
  • 元気消失
  • リンパ節腫大
  • 白血球減少
  • 血小板減少
  • 貧血

など
<持続感染期>

  • リンパ腫などの腫瘍
  • 血液疾患
  • 免疫介在性疾患
  • 口内炎

など

二次感染などが単独で、
もしくは複数見られます。その後、様々な腫瘍を発症して死に至ります。
腫瘍の発生は成猫では感染後3年が平均ですが、
中にはウィルスを持ちながら10年以上生存する例もあります。
白血病陽性の親猫から産まれた子猫は1年以内に発症します。

引用:https://www.iris-pet.com/nyan/jyui/31.html

猫白血病の治療

  • インターフェロンの投与
  • 二次感染として起きた症状に合わせた治療

一度発症した猫白血病自体を治すことはできませんが、
感染初期に、免疫力を高めることで陰転することがあります。

そのためインターフェロンを接種して免疫力を上げる治療が行われます。
合わせてサプリメントなどで免疫力を高める食事を与えることも良いでしょう。

また血液検査で陽性と出た猫が陰性になることもあるので、
定期的に血液検査は行いましょう。

二次感染や腫瘍などの症状が出たら、その症状の治療を行います。

猫白血病ウイルス感染症が発症し、死亡する直接の原因は
腫瘍などの病気と言われます。

猫白血病の猫にできること

猫白血病になると他の病気を発症したり、
感染するリスクが他の猫より高くなるため、
下記の事に気を付けましょう。

  • 他の猫よりもさらに健康管理に気を配ること
  • 少しでも異常が見られたら獣医さんに相談をすること
  • 質の良い食事を与えること
  • ストレスのない環境を提供すること

これらに気を付けることで、
健康な猫と同じように元気に暮らせる可能性も高まります。

まとめ

猫白血病ウイルス感染症は発症後すぐに死亡する病気ではないですが、
発症して数年後の死亡率は残念ながら高い病気です。

少しでもネコちゃんと長く過ごせるように、白血病と診断されたら
二次感染を防げるように気を配ってあげましょう。

また、感染をしていないネコちゃんの場合は
ワクチンや外出させないなどの対処をして、感染を防ぐことがとても大切です。

猫白血病は明確な治療法のない病気ですが、
予防法や感染ルートがはっきりとしているため
予防をしっかり行いましょう!