犬種によって違う!犬の「被毛」の秘密について

犬の体を覆う毛のことを「被毛」と言います。

実はこの被毛は犬種によって構造が異なり、たくさんの抜け毛が出る「換毛期」にも違いがあるのです。

今回は犬の「被毛」の秘密について詳しくお話していきます。

犬の被毛の種類と構造について

犬の被毛の構造には「ダブルコート」「シングルコート」の2種類があり、
犬種によって異なります。

ダブルコートについて

「ダブルコート」の犬種は比較的寒冷な地域に多く見られ、
「オーバーコート(皮膚を保護する役割を果たす硬い被毛)」と、
「アンダーコート(保温や保湿の役割を果たす柔らかい被毛)」の2種類の被毛を持ちます。

ダブルコートの犬種

  • 柴犬
  • シベリアンハスキー
  • ウェルシュ・コーギー
  • ゴールデンレトリーバー

など

シングルコートについて

「シングルコート」の犬種は比較的温暖な地域に多く見られ、
オーバーコート」のみを持ち、「アンダーコート」を持ちません。

シングルコートの犬種

  • ヨークシャーテリア
  • マルチーズ
  • プードル
  • パピヨン
  • イタリアングレーハウンド

など

犬の祖先であるオオカミをはじめ、イヌ科動物は本来ダブルコートです。
シングルコートは、犬種改良によって作られたと考えられています。

文献によりコートの分類は意見が分かれることがあり、
犬種のみで一概に分類をすることは出来ませんが、一つの参考にしてみてください。

犬の衣替えである“換毛期”について

犬は春と秋に毛の抜け変わる「換毛期」があり、夏毛と冬毛に生え変わります。

人間でいう衣替えのようなものですね。

実はこの換毛期の際に抜けるのはアンダーコートです。

そのため、換毛期はダブルコートの犬にはありますが、
シングルコートの犬にはありません。

(※ミニチュアシュナウザーはダブルコートですが、
換毛期がなく、抜け毛が少ないなど一部例外はあります)

ダブルコートの犬は換毛期に大量のアンダーコートが抜けます。
大型犬だと家中抜け毛まみれなんてこともありますね。

換毛期で抜け落ちたアンダーコート(死毛)が体に付着した状態だと、
皮膚の通気性が悪くなり、皮膚病になってしまうことがあるため、
しっかりとブラッシングをし、死毛を除去することが必要です。

一方シングルコートの犬は季節の変わり目で被毛が抜け落ちず、
1年を通して少しずつ抜け変わります。
そのため、ダブルコートの犬と比べて抜け毛が少ないです。

シングルコートの犬はアンダーコートがない分寒さに弱いので、
服を着せるなどの対策を行うと良いでしょう。

室内犬が換毛しなくなっている!?

実は最近、換毛期にちゃんと換毛しない
ダブルコートの室内犬が増えています。

これは気温管理された室内にいることで、
換毛不要と体が判断してしまうためと考えられています。

正しい換毛が行われないと寒さや暑さに対応できなくなったり、
新しい毛に生え変わらないことで毛ヅヤが落ちたり、
皮膚病になることもあります。

これを防ぐにはしっかりと外に出て、季節ごとの気温を感じさせたり、
過度な冷暖房を使用しないことが必要です。

まとめ

犬種によって2種類の被毛を持つダブルコートの犬と、
1種類の被毛を持つシングルコートの犬がいることが分かりましたね。

短毛でもダブルコートだったり、長毛でもシングルコートだったり、
見た目だけではわからないこともあります。

飼っているわんちゃんがどっちの被毛かわからない場合は、
しっかりと調べてみることをお勧めします!