オス犬は要注意!犬の「前立腺肥大症」について

オシッコの出が悪い」「便秘気味」など、犬が排泄をスムーズに行えないことがあります。

特にオス犬でこのような排泄トラブルが見られる場合、「前立腺肥大症」の可能性があります。

オス特有の病気である「前立腺肥大症」とはいったいどんな病気なのでしょうか。

犬の「前立腺肥大症」とは

犬の「前立腺肥大症」とは「前立腺」が肥大する症状です。

前立腺は前立腺液を作り出し、精子と混合して精液を作る、
オスのみに存在する生殖器官です。

前立腺肥大症は、去勢をしていない6歳以上のオス犬に多く見られますが、
どうして肥大するのか、原因は明らかにはなっていません。

一説には加齢やホルモンバランスの乱れ、
食生活や遺伝が影響していると言われます。

犬の「前立腺肥大症」の症状

前立腺は、膀胱の真下に尿道を囲むように存在しているため、
肥大すると周辺の臓器が圧迫されます。

その結果、以下のような症状が見られるようになります。

  • 尿の回数が減る
  • 一度の排尿量が減る
  • 頻尿
  • 排尿困難
  • 血尿
  • 尿道からの出血
  • 便秘

排泄に支障が出るようになるため、
早めの措置を行う必要があります。

また、排尿困難が長く続くと膀胱内に細菌が増えるため、
合併症として膀胱炎を起こしたり、尿毒症を起こすことがあります。

特に尿毒症は放っておくと死に至る恐ろしい症状のため、
早急な措置が必要です。

犬の「前立腺肥大症」の治療方法

  • 去勢手術
  • ホルモン剤投与

犬の「前立腺肥大症」の治療として一般的に行われるのは「去勢手術」です。

精巣を取り除くことにより、男性ホルモンの濃度を下げ、
前立腺を縮小させます。

症状が軽度であれば、ホルモン剤を投与することで、
肥大を抑えることも出来るので、経過観察をすることもあります。

また「前立腺肥大症」と似た症状を起こす病気として「前立腺腫瘍」がありますが、
こちらの場合は去勢手術やホルモン剤の投与をしても改善が見られません。

前立腺肥大症がかなり進行していた場合や、前立腺腫瘍の場合は
前立腺の摘出手術を行うことがありますが、
かなり難易度の高い手術のため、ほとんど行われません。

犬の「前立腺肥大症」の予防方法

犬の「前立腺肥大症」の予防方法も治療と同じで「去勢手術」となります。

繁殖を行わない場合は、若齢での去勢手術を行うことで、
高齢になった際の「前立腺肥大症」を防ぐことができます。

去勢手術は高齢でも出来ますが、麻酔のリスクがあるため、
できるだけ若齢での手術がおすすめです。

去勢手術を行わない場合は、
特に発症のリスクの上がる6歳頃から、排尿・排便の様子を観察し、
早期発見・早期治療が出来るようにしましょう。

まとめ

犬の「前立腺肥大症」は去勢手術を行えば予防や治療が出来る病気です。

去勢手術は前立腺肥大症の発症リスクを減らすことができますが、
全身麻酔による手術が必要となるので、
ご家庭内でよく話し合いをしてから行いましょう。

未去勢の場合は、早期に症状に気付けるように、
普段から排泄の様子をチェックするようにしましょう。