犬の「椎間板ヘルニア」を悪化させない5つの方法

わんちゃんの関節系のトラブルとして多くの割合を占める一つに「椎間板ヘルニア」があります。

もしわんちゃんが椎間板ヘルニアになってしまったら、
悪化させないように飼い主さんが
しっかりケアをしてあげる必要があります。

すでに椎間板ヘルニアを発症しているわんちゃんにも、
まだ発症していないわんちゃんにも、
これからお伝えする方法は有効ですので、ぜひ実践してくださいね。

犬の椎間板ヘルニアを悪化させない5つの方法

  1. 室内の床を滑らせないようにする
  2. ジャンプを極力させないようにする
  3. 抱っこの仕方に気を付ける
  4. 体重管理をしっかり行う
  5. 食事の内容を工夫する

室内の床を滑らせないようにする

椎間板ヘルニアに限らず関節のトラブルを防ぐためには
室内を滑りにくくする工夫が重要です。

踏ん張りのきかないフローリングでは、歩いたり走ったりすると
無理な動きになりやすく、関節に負担がかかってしまいます。

カーペットやフロアマット、滑り止めのワックスを使用するなど
わんちゃんに優しい床にしてあげましょう。

ジャンプを極力させないようにする

ジャンプは負担になりやすいので出来るだけさせないようにしましょう。
ジャンプのあるドッグスポーツ(ディスク、アジリティなど)も
腰への負担がかかりやすいため、
ヘルニア予備軍のわんちゃんは避けた方が無難です。

抱っこの仕方に気を付ける

抱っこの仕方も縦に抱いたり、体を丸めるようにする抱っこの仕方は
犬の骨格からすると適しません。
腰に負担をかける原因にもなりますので
抱っこをするときは地面に水平な状態で抱えるようにしましょう。

体重管理をしっかり行う

体重増加は腰に負担をかけます。
食事量には気を付け、適度な運動を行い肥満には気を付けましょう。

食事の内容を工夫する

栄養バランスのとれた良質な食事と共に、
関節のサプリメントを与えるのも効果的です。

グルコサミンやコンドロイチンが関節ケアに適しているので
そういったものを含むサプリメントを日常的に与えることも良いでしょう。

犬の椎間板ヘルニアになりやすい犬種を知ろう

椎間板ヘルニアになりやすい犬種が存在します。

それは元々「軟骨異栄養症」の遺伝子を持つとされる犬種です。

軟骨異栄養症とは簡単に言うと、
軟骨の形成不全で骨が発育されないことにより
骨が短くなる病気です。

  • ダックスフンド
  • コーギー
  • シーズー
  • ペキニーズ
  • プードル
  • パグ
  • ビーグル
  • バセット・ハウンド
  • コッカースパニエル
  • フレンチ・ブルドッグ

などが該当します。

引用元 http://wankoukiuki.blog106.fc2.com/blog-entry-636.html

特徴的な容姿をしている犬が多いですよね。

この“特徴的な容姿”を作るために軟骨異栄養症の遺伝子を利用したのですが、
それ以外にも遺伝子は作用するため、
体全体の骨に異常が出やすい体質になります。

そのため、他の犬種と比べて椎間板ヘルニアになりやすいのです。

「椎間板ヘルニアになりやすい」ことが
最初からわかっているということは、
つまり「それだけその病気に対して注意できる」ということです。

該当する犬種を飼っている、これから飼いたい場合は
椎間板ヘルニアを悪化させない、発症させない環境や
飼い方を意識することで、ある程度予防することが出来ます。

続いては犬の「椎間板ヘルニア」についてお話していきます。

犬の椎間板ヘルニアとは

犬の「椎間板ヘルニア」とは、椎骨と椎骨の間で、
クッションの役割をはたす「椎間板」に亀裂が生じ、
髄核が繊維輪を破って飛び出してしまう病気です。

椎間板ヘルニアになると脊椎管内の脊髄が
神経を圧迫してしまうため、神経麻痺を起こします。

症状が進行すると神経細胞が壊死してしまい、
立てなくなってしまう可能性もあります。

犬の椎間板ヘルニアの症状

犬の椎間板ヘルニアで初期に見られる症状は

  • 少し触るだけで痛がる素振りをする
  • 動かなくなる、または動きが鈍くなる
  • 段差を嫌がるようになる
  • 散歩を嫌がるようになる
  • 抱っこを嫌がるようになる

等です。
これらの症状が見られたら、まずは獣医さんに診断を受けに行ってください。
初期症状の場合は、薬で患部の痛みを抑える内科的治療を行い、
ケージの中でしばらく安静することで緩和します。

椎間板ヘルニアの症状はグレードで1~5に分かれます。
グレードが重くなると

  • 歩行不能
  • 下半身の完全麻痺
  • 麻痺排尿不能
  • 深部痛覚なし

等の症状となり、外科手術や内科的な鍼灸治療を行います。
また、手術後もプールや車いすなどでリハビリが必要となる場合があります。

ヘルニアは発症した場合、急激に症状が進行していくことが多いため、
愛犬の歩行や症状で少しでも気になる点がありましたら、
まずは獣医さんにご相談することをお勧めします。

まとめ

犬の椎間板ヘルニアは環境や飼育の仕方を意識することで、
発症の予防や悪化を防ぐことができます。
ぜひ実践してあげましょう。

犬の椎間板ヘルニアは命にかかわる病気ではありませんが、
アクティブなわんちゃんが動けなくなってしまうため、
飼い主さんもわんちゃんも気持ちがとても落ち込みがちです。

しかし歩行が困難になってしまったわんちゃんに対して、
歩行補助のハーネスや車いすなどのサポートをしてあげることも出来ますので、
そういった方法もぜひ検討してみてください。

お散歩することはわんちゃんにとって楽しみの一つです!
歩ける距離が少なくなってしまった場合も
お散歩を止めるのではなくカートなどを使ってサポートしてあげましょう。

カートに乗せて、外のにおいを感じさせることは
わんちゃんにとっては良い刺激になります。