「猫伝染性腹膜炎」の発症を少しでも防ぐために出来ること

「猫伝染性腹膜炎(FIP)」コロナウイルスの一種である猫コロナウイルス(FCoV)に感染したネコちゃんの中で、コロナウイルスが猫伝染性腹膜炎ウイルス(FIPV)に突然変異することにより発症する非常に死亡率の高い病気です。

コロナウイルス自体は多くの猫が感染しているウイルスであり、感染していも無症状のことが多いのですが、一部のコロナウイルスが猫伝染性腹膜炎ウイルスへと変異します。

ワクチンなどの明確な予防法は確立されておらず
変異する原因が未だにわかっていないことが多く、
ネコちゃんにとっては非常に怖い病気です。

少しでも発症率を下げるために出来ることがありますのでご紹介します。

猫伝染性腹膜炎の発症を少しでも防ぐために出来ること

  1. 猫コロナウイルスへの感染を防ぐ
  2. 猫コロナウイルスの感染の有無を検査する
  3. ストレスをかけない生活を心がける
  4. 免疫力を高める
  5. 「免疫力を低下させる病気」に対する予防ワクチンを接種する

猫コロナウイルスへの感染を防ぐ

猫コロナウイルスを保有していなければ発症はしないため、
コロナウイルスを持っている猫との接触を避けることは
発症を防ぐ方法の一つと言われています。

コロナウイルスは野良猫のほとんどが感染していると言われます。
そのため、外に出さず室内での飼育を心がけましょう。

猫コロナウイルスの感染の有無を検査する

コロナウイルスを保有しているかどうかは検査することができ、
抗体価を調べることで、事前に病気に対して注意をすることができます。

コロナウイルスを持っている猫に関しては、発症をしない様に
日頃から免疫力を高める事を意識しましょう。

ストレスをかけない生活を心がける

現状では猫コロナウイルスを保有した猫の中でウイルスが
免疫力の低下やストレスにより猫伝染性腹膜炎ウイルスに変異するという説が
最も有力な発症原因と言われています。

そのため、免疫力のアップとストレス軽減を心がけましょう。

猫は単独行動を好む動物のため、相当数の多頭飼育の場合は
ストレスを感じて発症することも多いようです。

環境の変化や猫にとって快適ではない室温、騒音などはストレスを与えるので
注意をしましょう。

免疫力を高める

免疫力を高めることは、様々な病気の発症を防ぐことに繋がります。

良質なバランスの取れた食事を与えたり、
免疫力を高める効果があるサプリメントなどを食事に加えるのも良いでしょう。

「免疫力を低下させる病気」に対する予防ワクチンを接種する

猫伝染性腹膜炎自体の予防ワクチンは現在日本にはありませんが、
免疫力を低下させる病気の猫免疫不全ウイルス、猫白血病ウイルス
予防ワクチンはあります。

免疫力低下を防ぐことは、猫伝染性腹膜炎の発症予防にも繋がりますので、
これらの病気のワクチン接種を行うのも良いでしょう。

猫伝染性腹膜炎の症状

猫伝染性腹膜炎の症状には

  • ドライタイプ
  • ウェットタイプ

2つのタイプがあります。

ドライタイプ
化膿を伴う肉芽腫性の病変を特徴としています。
食欲不振や体重減少などの慢性症状のほか、
腎臓、肝臓、腸、神経(運動失調)、
目(ブドウ膜炎・脈絡網膜炎)などに様々な症状が現れます。
免疫反応が通常よりもやや劣る個体に多いとされます。

ウェットタイプ
タンパク質を多く含んだ漏出液が、胸腔、腹腔、心膜腔といった
体内のあらゆる隙間に貯留するのが特徴です。
腹部に水がたまって異様に膨らむ腹水(ふくすい)や、
胸膜炎、及び胸腔に水がたまる胸水(きょうすい)などの症状が現れ、
結果として呼吸困難に陥り、数日~数ヶ月の内に死亡します。
免疫反応が通常よりも悪い個体に多いとされます。
引用:http://www.konekono-heya.com/byouki/infection/fip.html

猫伝染性腹膜炎の治療方法

  • 免疫力強化
  • 対症療法

猫伝染性腹膜炎ウイルスを根絶する治療は確立されていないため、
それ以上悪化しない様に免疫力を高めるためのインターフェロンや、
二次感染を防ぐための抗生物質の投与などの対症療法を行います。

まとめ

猫伝染性腹膜炎は明確な予防法はなく、
発症をしてしまうと、残念ながら治る見込みは低い病気です。

この病気の予防や治療に対して飼い主さんができることは限られていますが、
発症の原因としてストレスや免疫力の低下がありますので、
ネコちゃんにストレスを与えないこと、
良質な食事を与えて体の中から健康にすることなどを意識して、
普段の生活を見直してみましょう。