ネコちゃんの「悪性リンパ腫」は発症すると、食欲不振などの症状が見られますが、一時的な体調不良と思って放置してしまうと、平均で4~8週間で死に至るとも言われる、恐ろしい病気です。
今回はネコちゃんの「悪性リンパ腫」について詳しくお話していきます。
Contents
猫が「悪性リンパ腫」になる大きな原因の一つは?
猫の悪性リンパ腫の大きな原因の一つに
猫白血病(猫白血病ウイルス感染症)が関連していると言われます。
猫のリンパ腫は「猫白血病ウイルス感染症:FeLV」や「猫免疫不全ウイルス感染症(猫エイズ):FIV」の感染率が腫瘍発生に深く関わっていることです。「猫白血病ウイルス感染症」が陽性の猫がリンパ腫を発症する危険性は約60倍,「猫免疫不全ウイルス感染症(猫エイズ)」が陽性の猫は5倍,両方が陽性の猫では80倍と言われています。
しかし、猫白血病や猫エイズに感染していなくても
悪性リンパ腫を発症することもあり、
高齢化やストレス、免疫力の低下、発がん性物質の摂取など
様々な原因が複雑に絡んでいるとも考えられています。
猫の「悪性リンパ腫」の症状
猫の「悪性リンパ腫」は体中に存在するリンパ球がガン化する病気で、
最もよく認められる造血系腫瘍です。
悪性リンパ腫はリンパ組織の中で腫瘤を作り、どんどん増えていきます。
リンパ球は全身に存在するため、腫瘤のできる場所による型があり、
症状もそれぞれ異なります。
縦隔型
猫白血病に感染していると特に発生が多く、全年齢で発症が見られるタイプです。
胸腔内に腫瘤を作り、胸水を貯留するため、
- 呼吸困難
- チアノーゼ
- 咳
- 運動量の低下
- 食欲不振
- 食道圧迫による嘔吐
などの症状が見られます。
消化管型
腸管組織内に腫瘤を作ったり、腸間膜のリンパ節が腫れたりするタイプです。
老齢の猫に多く見られます。
- 嘔吐
- 下痢
- 削痩
- 腹膜炎
などの症状が見られます。
多中心型
体表のリンパ節の腫れが起こるタイプです。このタイプは犬に多く見られます。
全身のリンパ節が腫れるのが通常ですが、一つのリンパ節が腫れることもあります。
- リンパ節の痛み、腫れ
- 全身性の発熱
- 食欲不振
- 虚弱
などの症状が見られます。
その他少数として皮膚型、腎型などがあります。
猫の「悪性リンパ腫」の治療方法
猫の悪性リンパ腫は抗がん剤での治療を行います。
悪性リンパ腫は抗がん剤治療の反応が良いため、
延命の可能性が高まります。
抗がん剤治療を受ける前に、悪性リンパ腫の型や内臓機能、
猫白血病や猫エイズの感染検査を行い、
今後の余命を示唆するための大切な情報とします。
治療は抗がん剤が中心となりますが、副作用があるため、
悪性リンパ腫の進行具合やタイプ、抗がん剤を受けられる体力があるかなど
獣医さんと相談して、治療に臨む必要があります。
また、良質な食材を使用した栄養バランスのとれた食事や、
免疫力を高めるサプリメントを与えることは、
抗がん剤治療中の体力作りに効果的です。
猫の「悪性リンパ腫」の予防方法
- 感染症の予防
- 室内飼育を心がける
猫の悪性リンパ腫を直接予防する方法はありませんが、
原因の一つとされる「猫白血病」「猫エイズ」は
予防接種で防げる病気のため、これらの病気を予防することは
悪性リンパ腫の発症を下げることに繋がります。
また、「猫白血病」「猫エイズ」の感染経路として
野良猫との接触やケンカがあるため、
室内飼育を心がけることも予防になります。
悪性リンパ腫はタイプにより症状が様々なため、
飼い主さんだけで病気を判断することは難しいですが、
症状が出始めてから一気に悪化することもあるため、
少しでも変わった様子が見られたら動物病院に行きましょう。
まとめ
猫の「悪性リンパ腫」はリンパが腫れるなどの目に見える症状が出ない場合は、
飼い主さんが病名を判断するのは難しい病気ですが、
体調に変化が見られるので、いつもと違う様子が少しでも見られたら
獣医さんに相談するようにしましょう。
すでに猫白血病や猫エイズに感染している場合は、
リンパ腫が発症しやすい状態ですので、
常にネコちゃんの健康状態を確認しましょう!
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