感染力の強い病気!「猫カリシウイルス感染症」について

毎年冬など乾燥した時期は、インフルエンザが流行りますね。

猫には人のインフルエンザは移らないのですが、乾燥している時期はインフルエンザのような症状である「猫カリシウイルス感染症」になることがあります。

今回はこの「猫カリシウイルス感染症」についてお話をしていきます。

「猫カリシウイルス感染症」とは

「猫カリシウイルス感染症」とは猫カリシウイルス(FCV)
感染することで発症する感染症です。

猫ウイルス性鼻器官炎」と同様「猫風邪」「猫インフルエンザ」と呼ばれることもあります。

猫カリシウイルスは感染力の非常に強いウイルスで、
乾燥した時期には長期生存します。

免疫力の弱い子猫や老猫に特に多く感染が見られますが、
3歳以上の猫になると感染しても症状が軽かったり、
症状が出ないこともあります。

猫カリシウイルス感染症は、ウイルスに感染した猫と
接触することにより感染する「接触感染」と
くしゃみなどから感染する「空気感染」が感染ルートのため、
多頭飼育で1頭が感染すると一気に感染が広がってしまいます。

また、一度感染すると症状が治まってもウイルスを完全に退治できず、
8割程度の猫はそのままウイルスを保菌するキャリアとなります。

キャリアの猫は免疫力が低下すると猫カリシウイルス感染症が再発しやすくなり、
他の猫への感染源ともなります。

「猫カリシウイルス感染症」の症状

  • 口内炎
  • 舌炎
  • 発熱
  • くしゃみ、鼻水
  • よだれ
  • 食欲不振

など

「猫カリシウイルス感染症」は口内炎など
口腔内の症状が見られるのが特徴の一つです。

参考までに「猫カリシウイルス感染症」と同様、“猫風邪”と呼ばれる
「猫ウイルス性鼻器官炎」は結膜炎など目の症状が現れます。

「猫カリシウイルス感染症」の治療方法

  • 抗生物質
  • インターフェロン

猫カリシウイルス感染症は根本的な治療がないため、二次感染予防の抗生物質や
免疫力を高めるインターフェロンの投与をし、自然回復を待ちます。

脱水症状を起こさないように、飲み水の管理もしっかり行いましょう。

「猫カリシウイルス感染症」の予防方法

猫カリシウイルス感染症は予防のできる病気です。
下記の予防方法をぜひ実践していきましょう。

  • 混合ワクチン接種
  • 室外に出さない
  • 多頭飼育の場合は感染猫を隔離する
  • 手を洗ってから猫に触る
  • 免疫力を高める食事を与える

混合ワクチン接種

猫カリシウイルス感染症は混合ワクチンで予防出来る感染症です。

猫の混合ワクチンは3~7種までありますが、
3種の項目から猫カリシウイルス感染症は含まれています。

ワクチンを接種しておけば、ウイルスに感染した場合も軽い症状で済む場合が多いです。

室外に出ている猫はもちろんのこと、室内飼育の猫も
飼い主さんがウイルスを持ち込む可能性もあるため、
3種の混合ワクチンの接種は推奨されています。

室外に出さない

混合ワクチンを接種しないことから、
野良猫の多くは猫カリシウイルス感染症のキャリアと言われます。

そのため、室外に飼い猫を出さないことは感染症の予防に繋がります。

多頭飼育の場合は感染猫を隔離する

多頭飼育の場合、感染猫がいるとあっという間に感染が広がってしまいます。

感染猫は早急に隔離し、生活スペースを分け、
感染猫が使った食器やトイレ等は、塩素漂白剤で消毒します。

手を洗ってから猫に触る

飼い主さんが外からウイルスを持ち込んでしまうことがありますので
手を洗ってから猫を触るようにしましょう。

特に外で猫に触れた場合は注意が必要です。

免疫力を高める食事を与える

免疫力を高めることは感染症の予防や、
症状の早期緩和に繋がります。

普段の食事に免疫力を高めるサプリメントを加えるのも良いでしょう。

まとめ

「猫カリシウイルス感染症」は室外に出る猫や野良猫に感染が多く見られますが、
室内飼育の猫も感染する可能性はあります。

予防接種や飼い主さんの手洗いで、
ウイルスの持ち込みを防ぐなどの対策をしましょう。