猫が「毛を逆立てる」のはどんな時?

みなさんは「毛を逆立てている猫」にどんなイメージがありますか?

「毛を逆立てる=怒っている」というイメージはないでしょうか?

もちろん、猫は怒っている時に毛を逆立てるのですが、実はそれ以外にも、様々な状況で毛を逆立てるのです。

猫が毛を逆立てるのは、一体どんな時なのでしょうか?

猫が「毛を逆立てる」のはどんな時?

猫は様々な仕草で自分の感情を表しますが、
毛を逆立てる仕草も感情表現の一つです。

どんな時に猫は毛を逆立てているのかを理解すると、
猫とより良い関係になれることでしょう。

  • 威嚇をしている時
  • 知らないニオイを嗅いで興奮した時
  • 遊びたい時
  • 驚きや恐怖を感じた時
  • 嫌なことをされた時

威嚇をしている時

猫は猫同士のケンカや、知らない人への威嚇行動として毛を逆立てます。

威嚇の場合は、背中の毛を逆立て、尻尾は下向きでブラシのように膨らみます。
表情も目は丸く、ヒゲは前方に向き、耳は後ろに倒すなどかなり特徴的です。

多くの人がイメージする「怒っている猫」はこの状態ではないでしょうか。

威嚇の際に毛を逆立てるのは「自分を大きく見せるため」と言われています。

この状態の猫に近づくと「シャー」「ウーッ」などの唸り声をあげて
攻撃してくることがあります。

目を反らし、近づかず、そっとしてあげましょう。

知らないニオイを嗅いで興奮した時

猫にとって初めてのニオイや、知らない人や動物のニオイを嗅いだ時、
興奮して毛を逆立て、そのまま走ることがあります。

遊びたい時

猫がピョンピョンと跳ねながら、背中の毛や尻尾の毛を逆立てることがあります。
この時の表情は目は丸く、ヒゲと耳は前向きです。

これは「遊びたい!」という気持ちの表れで子猫によく見られます。

成猫の場合はおもちゃを狙う時に興奮し、尻尾の毛を逆立て、
飛びかかってくることがあります。

驚きや恐怖を感じた時

猫は大きな音を聞いたり、見たことがないものを見た時など、
予想していなかったことが起きた時に、
驚きや恐怖から毛を逆立てることがあります。

神経質になっていたり、パニックになっていることがありますので、
落ち着くまでそっとしてあげましょう。

驚きや恐怖は猫にとってストレスになりますので、
猫を驚かすことはやめましょう。

嫌なことをされた時

猫は嫌なことをされた時も、毛が逆立ちます。
人間で例えると「イラッ」とした時です。

この時の毛の逆立ちは、背中の毛が少し逆立つ程度のことが多いです。

寝ている時に邪魔をするなど、
飼い主さんのふとした行動で猫を怒らせてしまうことがあります。

寝ている猫を撫でていて、背中の毛が逆立った時は
猫からの「止めて」のサインです。

ストレスにもなりますので、
猫が寝ている時はあまり触らないようにしましょう。

体調不良の場合も…

猫の毛の逆立ちは、毛を逆立てる対象(現象)がなくなると収まるため、
通常長くは続きません。

ずっと毛を逆立て、部屋の隅でうずくまっているような場合は
体調不良の可能性があります。

長く続くようであれば、獣医さんに相談をしましょう。

猫の「毛が逆立つ」体の仕組みとは?

猫の毛がブワッと逆立つ体の仕組みは、
毛穴にある「立毛筋(りつもうきん)」に秘密があります。

普段猫の毛は、皮膚に対して垂直ではなく斜めに生えていますが、
猫が怒ったり興奮したりすることによりアドレナリンが放出され、
立毛筋が収縮し、毛が立ち上がるのです。

猫の尻尾の毛は特に逆立ちやすく、ブラシのように膨らみます。

これは猫の尻尾が、他の部位よりも感情を伝える
「ボディランゲージ」としての役割が大きいことや、
立毛筋の数が多く、毛が逆立ちやすいためと考えられています。

ちなみに毛を逆立てる行動は猫だけに見られる行動ではなく、
他の動物にも見られます。

犬は猫のように全身や尻尾の毛を大きく逆立てることはしませんが、
威嚇や恐怖、興奮している時などに、背中の毛を少し逆立てます。

また、人間の「鳥肌」も立毛筋の収縮により起きている現象です。

鳥肌は寒い時や、興奮した時、恐怖を感じた時などにも立ちますが、
これは猫が毛を逆立てる原理と同じです。

まとめ

怒ったり、驚いたり、興奮したり…
様々な理由から猫は毛を逆立てていることが分かりました。

毛の状態は猫の感情を読み解くヒントになります。

猫の毛が逆立っている時は、基本的に感情が高ぶっているので、
場合によっては飼い主さんも攻撃されることがあります。

落ち着くまでそっとしてあげましょう。