猫の感染症はいくつも存在しますが、その中で風邪に似た症状が出る「猫クラミジア感染症」という病気があります。
風邪に似た軽い症状だからすぐに治ると考えて治療をしないと、他の猫へどんどん感染することのある厄介な病気です。
今回はこの「猫クラミジア感染症」についてお話しします。
Contents
猫クラミジア感染症とは
「猫クラミジア感染症」は猫クラミジア(ウイルスと細菌の中間の病原菌)に
感染することにより発症する病気です。
猫クラミジアは一般的に「猫風邪」と呼ばれる病気の一種で、
感染するとまず、結膜炎など目の症状が出ることが特徴です。
感染経路は主に猫クラミジアに感染している猫と接触することで感染します。
また、猫クラミジアに感染している母猫から生まれた子猫は、
母猫を通じて感染することがあります。
猫クラミジアの人への感染はほとんど起こりませんが、
感染した猫の目ヤニや鼻水が付いた手で目を擦り、
結膜炎になった飼い主さんもいるため、
感染猫に接触した際は手を洗うようにしましょう。
猫クラミジア感染症の症状
- 結膜炎
- 目ヤニ
- 結膜の充血・腫れ
- 眼瞼痙攣
- くしゃみ
- 鼻水
- 咳
- 気管支炎
猫クラミジア感染症の特徴的な症状の一つが、
粘着性の強い黄色の目ヤニを伴う結膜炎です。
急性期には片目に結膜炎が起こり、
目ヤニ、充血や腫れ、眼瞼(がんけん)痙攣が見られます。
その後症状は両目に進行していきます。
また、くしゃみ・鼻水、咳、気管支炎などの一般的な風邪の症状も見られます。
猫クラミジアによる結膜炎はウイルス性の結膜炎よりも
長期化することがあり、6週間ほど続くこともあります。
生後2~6ヶ月の子猫は、猫クラミジアに特に感染しやすく
症状も成猫より悪化しやすいです。
猫クラミジア感染症の治療方法
- 抗生物質
- 輸液療法
2~4週間、抗生物質(点眼、点鼻または全身投与)を使用し、
猫クラミジアを体内から完全に消滅させます。
体内に猫クラミジアが残っていると”キャリア“となり、
再発したり、他の猫への感染源となってしまうため、
症状が消えても抗生物質は持続投与する必要があります。
発熱や下痢など症状が重症化している場合は、輸液療法を行うこともあります。
猫クラミジア感染症の予防方法
- 予防接種をする
- 室内飼育をする
- 感染猫との接触を避ける
- 食事を工夫して免疫力を高める
予防接種をする
猫クラミジア感染症は、予防接種で予防できる感染症です。
ただし、3種混合ワクチンには猫クラミジア感染症が含まれていないため、
5種または7種混合ワクチンを接種する必要があります。
一般的に室内飼育の猫であれば3種混合ワクチン、
室外に出る猫や、猫同士の接触が多い場合は、
5種以上の混合ワクチンの接種をお勧めされますので、
猫の飼育環境に合わせて接種するようにしましょう。
室内飼育をする
猫クラミジア感染症の感染経路として、感染猫との接触があります。
ワクチン接種がされていない野良猫の間では、感染症が流行していることがあり、
飼い猫も室外に出る場合は感染する可能性があります。
そのため、出来る限り室内飼育を行うようにしましょう。
感染猫との接触を避ける
多頭飼育の場合、家に猫クラミジア感染症に感染した猫が1匹いると
猫同士の挨拶やグルーミング、感染猫が使用した食器などから
全体に感染することがあります。
猫クラミジア感染症の疑いが見られた場合は、
隔離などの対応を早急に行いましょう。
食事を工夫して免疫力を高める
一般的に免疫力が低下している時は感染症にかかりやすく、
キャリアとなっている場合は再発しやすいです。
免疫力向上が期待できるサプリメントを
普段の食事に加えることは感染予防に良いでしょう。
まとめ
猫クラミジア感染症は感染力が強く、
子猫は特に注意すべき病気ということが分かりました。
“黄色い粘着性のある目ヤニを伴う結膜炎”は特徴的な症状の一つなので、
そのような症状が見られたら、すぐに獣医さんの診察を受けるようにしましょう。
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